歴史

祝 西方城址 国の史跡指定!「西方町の地名と伝説の旅」(小松義邦氏・著)が楽しい

西方城址、国の史跡に指定 2024年10月

栃木県栃木市の西方町にある、「西方城址」が、2024年10月、国の史跡指定を受けました。

栃木市役所ホームページの記載によれば、「国の文化審議会は、令和6年6月24日開催の同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、『西方城跡』を国の史跡に指定するよう、文部科学大臣に答申し、令和6年10月11日の官報告示をもって正式に国指定史跡となりました。」とのことです。

『西方町の地名と伝説の旅』

これを祝い、小松義邦氏が、地元郷土史を研究する身として、多くの方々に「西方」の魅力をお届けすべく作成・新聞折込を行ったチラシの内容が下記です。
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祝・国の史跡指定!! 西方城址。
金井に国指定文化財の「鉄造薬師如来坐像」がありますので、このたび西方城が国の指定史跡となったことにより、狭い地域に二つもの国指定文化財を持つ街になります。この機会にふるさとの景色をあらためて見直してみませんか。
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そして、4冊の冊子を告知していて、そのメインとなるのが、『西方町の地名と伝説の旅』です。

小松義邦氏が多数の歴史資料からまとめあげました

本書は、元西方町長・古澤悦夫氏の祝辞から引用させていただくと、「郷土史研究家小松義邦さんが、西方郷各地の『地名の由来』や『伝説』を、古文書等の歴史資料から掘り起こし、まとめあげた」ものです。

48枚の写真を掲載

西方町の写真家でもある古澤氏撮影の48枚の写真の掲載もあり、古来からの風景を残している西方町の美しさを、存分に楽しむことができます。

多数の地名を掲載

地名については、下野国、栃木県、宇都宮、などの広い地名から、西方町内の郷の下にある字(あざ)名まで、丹念に掲載しています。目次を見ると、扱っている地名の多さがわかります。

知識と記憶と想像力

読み進めてみると、地名の由来はどこかに正解が書かれているわけではない、ということがわかります。たくさんの書物を調べて既存の諸説を扱いながら、小松氏が持つ知識と記憶と想像力を武器に、正解かもしれない「由来」へと手を伸ばす、という局面が多数あります。豊かな知的好奇心が翼を広げる風景。それがこの書の楽しさです。

町名である「西方町」の由来について、3つの通説「宇都宮の西にあるから説」「川の西にあるから説」「弥陀の霊境であることにちなむ説」を丁寧に検討していて、その過程で、現存のどの記録にも残されていない寺「阿弥陀山西方寺」の文字が刻まれた鰐口の話が出てきます。そこに「寺を訪れ、軒端に揺れるその鰐口を目にすることができた。江戸時代の風に触れた感激で、大森氏と手を取り合ったことが昨日のように思われる」との記載があります。著者の調査力と想像力と探求心の核にある情熱を、強く感じる一節です。

かっぱ伝説、近津神社の伝説、曽我兄弟の話など

かっぱ伝説や、「近津神社のあまり知られていない伝説」や、曽我兄弟のお話なども登場し、解説されていて、西方エリアの魅力を丁寧に網羅する一冊になっています。

下野新聞 掲載記事

刊行情報

2023年5月(令和5年)
B5版・223P
著者/小松義邦
発行/西方町南部地区コミュニティ推進協議会

こちらの冊子は、栃木市の各図書館でご覧いただくことができます。

お問い合わせはこちら

小松義邦氏 略歴
栃木市西方町の郷土史家。
研究対象/真名子の八百比丘尼伝説、皆川広照・皆川氏、西方町の歴史・西方氏ほか
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栃木市編入前の西方町にて、町教育員会からの委嘱で1998年(H10年)に西方町郷土史研究会を発足し、史料集めや古文書解読に励む。2011年(H23年)発行の「西方町史」編さん時には一部の執筆を担当し、その後の町発行の「西方町の民俗」の編集も担当するなど、行政から信頼を寄せられる。研究成果を地元に残そうと、私家版として多数の冊子を発行し、地域の図書館への寄贈や、一部の書籍は地元小中学校の生徒に無償での配布なども実施。栃木市皆川町の「皆川地区街づくり協議会 歴史文化部会」からの委託を受けて「皆川広照伝」を復刻。郷土史を研究し、冊子を発行し続けている。

「栃木市西方町 金井・本郷の神社探訪」で地元の神社を知る

2019年4月発行の「栃木市西方町 金井・本郷の神社探訪」は、「西方南部地区コミュニティ推進協議会」が作成した冊子です。この協議会の文化部部長が小松義邦氏で、中心となって執筆しました。

金井・本郷は、西方町の南部にある字(あざ)の名称です。下野新聞の取材に対して小松義邦氏は、「神社建立の経緯を知る人は少なくなった。先祖から受け継いだ歴史を若い人に知ってもらいたい」と作成したと答えています。

下記について記載しています。

琴平神社、神塚の菅原神社(跡)、豊年神社、神明宮、金山神社、開水神社、金井新田の大杉神社、下宿の大杉神社、田谷の雷電神社、弥八内の雷電神社、二荒山神社、浅間神社、三十三度石、愛宕神社、下宿の菅原神社、二宮神社(跡)、三宮神社。

巻末の「参考図書」に33の書籍・論文が並んでいることからわかるように、豊富な知識と研究をベースに各神社について記している、丁寧な一冊です。地元の方でも、「この本を読んで初めて知った!」となることが多いのではないかと思います。

2019年(令和元年)
B5版・40P
著作/西方南部地区コミュニティ推進協議会 文化部
発行/西方南部地区コミュニティ推進協議会 文化部

こちらの冊子は、栃木市の各図書館でご覧いただくことができます。

お問い合わせはこちら

小松義邦氏 略歴
栃木市西方町の郷土史家。
研究対象/真名子の八百比丘尼伝説、皆川広照・皆川氏、西方町の歴史・西方氏ほか
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栃木市編入前の西方町にて、町教育員会からの委嘱で1998年(H10年)に西方町郷土史研究会を発足し、史料集めや古文書解読に励む。2011年(H23年)発行の「西方町史」編さん時には一部の執筆を担当し、その後の町発行の「西方町の民俗」の編集も担当するなど、行政から信頼を寄せられる。研究成果を地元に残そうと、私家版として多数の冊子を発行し、地域の図書館への寄贈や、一部の書籍は地元小中学校の生徒に無償での配布なども実施。栃木市皆川町の「皆川地区街づくり協議会 歴史文化部会」からの委託を受けて「皆川広照伝」を復刻。郷土史を研究し、冊子を発行し続けている。

「伊勢参宮道中日記」から200年前が見えてきます

「伊勢参宮道中日記」は2003年(平成15年)に、西方町で発行されました。町内に残る江戸から明治の旅日記など4冊を、読み下し文にして、解説をつけて、冊子にしたものです。「西方町郷土史研究会」が編集を行い、代表の荒川哲男氏と小松義邦氏が執筆を担当しました。

口語訳ではなく読み下し文なので、誰もがすらすら読めるものではないですが、筆書きの難読な古文書をここまでの形にされた苦労はいかばかりかと思います。資料的価値がとても高い冊子です。

また、当時の旅先で得られたさまざまなものの写真がたくさん掲載されていて、カラーで掲載されているものもあり、楽しめます。

掲載内容は下記の4つです。

◎1832年(天保3年)「伊勢参宮道中日記」
19歳の青年が書いた、7人でまわった77日間の旅の記録です。
奈良、四国の金毘羅宮、大阪、京都、長野の善光寺、伊勢神宮などを巡っていて、「長時間歩き続けた247の宿場名、宿場間の距離、宿泊・休憩先の屋号、氏名、名所旧跡の当時の様子や伝説もしたためられていて、読んでいて心楽しいものがあった(あとがきより)」というものです。

◎1875年(明治8年)「伊勢参宮道中日記」
総勢25名の旅の道中記録です。人力車や鉄道を使用した記録も残っています。

◎1889年(明治22年)「伊勢参宮・善光寺詣の、旅行資料」
真名子から伊勢参宮、金毘羅宮、善行寺などをめぐった旅の、日記ではなく、旅行資料を掲載しています。

◎1897年(明治30年)「道中日記」
3名で栃木から汽車に乗って、伊勢参宮、奈良、四国の金毘羅宮、広島の厳島神社、大阪、京都などを旅した日記です。

2003年11月(平成15年)
A4・154P
編集/西方町郷土史研究会
  代表・読み下し・執筆/荒川哲男
  編集・校正・執筆/小松義邦
  道中地図作成/中村良一
発行/西方町教育委員会(※栃木市併合前)

こちらの冊子は、栃木市の各図書館でご覧いただくことができます。

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小松義邦氏 略歴
栃木市西方町の郷土史家。
研究対象/真名子の八百比丘尼伝説、皆川広照・皆川氏、西方町の歴史・西方氏ほか
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栃木市編入前の西方町にて、町教育員会からの委嘱で1998年(H10年)に西方町郷土史研究会を発足し、史料集めや古文書解読に励む。2011年(H23年)発行の「西方町史」編さん時には一部の執筆を担当し、その後の町発行の「西方町の民俗」の編集も担当するなど、行政から信頼を寄せられる。研究成果を地元に残そうと、私家版として多数の冊子を発行し、地域の図書館への寄贈や、一部の書籍は地元小中学校の生徒に無償での配布なども実施。栃木市皆川町の「皆川地区街づくり協議会 歴史文化部会」からの委託を受けて「皆川広照伝」を復刻。郷土史を研究し、冊子を発行し続けている。