「伊勢参宮道中日記」から200年前が見えてきます

「伊勢参宮道中日記」は2003年(平成15年)に、西方町で発行されました。町内に残る江戸から明治の旅日記など4冊を、読み下し文にして、解説をつけて、冊子にしたものです。「西方町郷土史研究会」が編集を行い、代表の荒川哲男氏と小松義邦氏が執筆を担当しました。

口語訳ではなく読み下し文なので、誰もがすらすら読めるものではないですが、筆書きの難読な古文書をここまでの形にされた苦労はいかばかりかと思います。資料的価値がとても高い冊子です。

また、当時の旅先で得られたさまざまなものの写真がたくさん掲載されていて、カラーで掲載されているものもあり、楽しめます。

掲載内容は下記の4つです。

◎1832年(天保3年)「伊勢参宮道中日記」
19歳の青年が書いた、7人でまわった77日間の旅の記録です。
奈良、四国の金毘羅宮、大阪、京都、長野の善光寺、伊勢神宮などを巡っていて、「長時間歩き続けた247の宿場名、宿場間の距離、宿泊・休憩先の屋号、氏名、名所旧跡の当時の様子や伝説もしたためられていて、読んでいて心楽しいものがあった(あとがきより)」というものです。

◎1875年(明治8年)「伊勢参宮道中日記」
総勢25名の旅の道中記録です。人力車や鉄道を使用した記録も残っています。

◎1889年(明治22年)「伊勢参宮・善光寺詣の、旅行資料」
真名子から伊勢参宮、金毘羅宮、善行寺などをめぐった旅の、日記ではなく、旅行資料を掲載しています。

◎1897年(明治30年)「道中日記」
3名で栃木から汽車に乗って、伊勢参宮、奈良、四国の金毘羅宮、広島の厳島神社、大阪、京都などを旅した日記です。

2003年11月(平成15年)
A4・154P
編集/西方町郷土史研究会
  代表・読み下し・執筆/荒川哲男
  編集・校正・執筆/小松義邦
  道中地図作成/中村良一
発行/西方町教育委員会(※栃木市併合前)

こちらの冊子は、栃木市の各図書館でご覧いただくことができます。

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小松義邦氏 略歴
栃木市西方町の郷土史家。
研究対象/真名子の八百比丘尼伝説、皆川広照・皆川氏、西方町の歴史・西方氏ほか
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栃木市編入前の西方町にて、町教育員会からの委嘱で1998年(H10年)に西方町郷土史研究会を発足し、史料集めや古文書解読に励む。2011年(H23年)発行の「西方町史」編さん時には一部の執筆を担当し、その後の町発行の「西方町の民俗」の編集も担当するなど、行政から信頼を寄せられる。研究成果を地元に残そうと、私家版として多数の冊子を発行し、地域の図書館への寄贈や、一部の書籍は地元小中学校の生徒に無償での配布なども実施。栃木市皆川町の「皆川地区街づくり協議会 歴史文化部会」からの委託を受けて「皆川広照伝」を復刻。郷土史を研究し、冊子を発行し続けている。

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