2021年(令和3年)5月に小松義邦氏によって発行された「西方城物語 ― 炎の城 ―」を紹介します。

タイトルとなっている「炎の城」は、この地では有名な江戸時代の戦記物「皆川正中録」の「巻五」を題材に、西方町在住の福地正治氏が著した物語です。
1980年(昭和55年)1月から1982年(昭和57年)11月までの31回にわたって、西方町発行の「広報にしかた」に連載されたもので、福地氏のご快諾を得て、小松義邦氏が誤字・脱字の修正と若干の加筆・訂正を行い、復刻しました。
「皆川正中録」の「巻五」の「深程諏訪山城の攻防」のお話を、大胆にアレンジし、福地氏が「西方太郎左衛門」を主人公にして、その活躍の物語として描いています。
そして、第二部として、「皆川正中録」の「巻五」の上記の続きにあたる「真名子高谷城の落城、深沢布袋岡城の炎上」の口語意訳を、小松義邦氏が執筆しています。

そのあとには「城郭概観」のタイトルで、物語に登場する「西方城、真名子城、深程諏訪山城、布袋岡城、神楽岡城」の説明があり、西方町の写真家・古澤悦夫氏による、合戦の舞台となっている清瀬川原や各城址のカラー写真も挿入されています。
作者の福地正治氏は、西方村役場で複数の課の課長などを歴任されて1998年(平成10年)に退職された方で、公務の傍らに趣味として創作活動を行っていて、そのひとつがこの「炎の城」なのだそうです。
はるか昔に書かれた歴史物語「皆川正中録」の中の西方城をめぐるお話が、福地氏・小松氏により、読みやすく楽しめる歴史活劇となって復活したことは、とても幸せなことだと思います。2025年に国の史跡として指定された西方城址を、素敵に彩る物語です。


2021年6月(令和3年)
A5版・131P
著者/福地正治
編集・執筆/小松義邦
発行/西方南部地区コミュニティ推進協議会
こちらの冊子は、栃木市の各図書館でご覧いただくことができます。
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小松義邦氏 略歴
栃木市西方町の郷土史家。
研究対象/真名子の八百比丘尼伝説、皆川広照・皆川氏、西方町の歴史・西方氏ほか
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栃木市編入前の西方町にて、町教育員会からの委嘱で1998年(H10年)に西方町郷土史研究会を発足し、史料集めや古文書解読に励む。2011年(H23年)発行の「西方町史」編さん時には一部の執筆を担当し、その後の町発行の「西方町の民俗」の編集も担当するなど、行政から信頼を寄せられる。研究成果を地元に残そうと、私家版として多数の冊子を発行し、地域の図書館への寄贈や、一部の書籍は地元小中学校の生徒に無償での配布なども実施。栃木市皆川町の「皆川地区街づくり協議会 歴史文化部会」からの委託を受けて「皆川広照伝」を復刻。郷土史を研究し、冊子を発行し続けている。
























